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2005/07/17

フィジオセラピストのお仕事

我等がアルビレックス新潟専属のフィジオセラピスト(理学療法士)・亀尾徹さんがこちらのイヴェントで講演をされるとの情報を目にし、我々チーム新潟のガリ勉・メガネ・鼻メガネの3人(仮名)で拝聴しに行ってまいりました。(久々に三条行ったら地場産センターが「リサーチコア」というこじゃれた名前になっていて驚いた。「リサーチコア…って何だ?」「研究者が演ってるハードコアパンクじゃね。バンドはメンバー全員Ph.D持ち。でもパンクス」)

行ってみたら、そこはフェスティバルという楽しげな名前とは大違いの、理学療法士を目指す若者やスタッフさんが真剣に医療の現場を紹介するという、浮かれたアルビサポが更に浮く事請け合いの現場でありました。(スポーツ医学もだけど、老人介護から障害を持った子供のリハビリから全てを含む仕事なのだね。この分野不勉強なもので大変ためになりました) 聖籠での練習帯同を終えて開演時間ギリに到着した亀尾さん、慣れた手つきでプレゼンの用意をして紹介を受けた後、「今日はまだ昼メシ食べてません」「倒れた時点でこの講演も終了です」と掴みバッチリの前フリからトーク開始。以下箇条書きで。(職場の研修でもここまではって位、かなり必死でノート取りました。なにせガリ勉だから)

○スポーツ医学とは…
・怪我・病気の予防から診断、治療とリハビリ、トレーニング効果の向上、栄養学・心理学・薬学、環境に対するケア(例えば試合のための長距離移動への対応)、チーム全体の「医学的」ケア、等を含んだ非常に広い学問。上記の項目だけでも分かるとおり対応すべき分野は広い。だから「スポーツ医学」というテーマに特化した学術書ってのはそんなに存在しないんだそうな。
○チームの医学的ケアとは…
・怪我の治療・リハビリ、怪我人の搬送及びマネジメント、予防、ドーピングコントロール、水分やサプリメントの管理、コンディショニング等。
・試合中にケガ人が出た時、担架を出動させるのはボランティアの方々だけど、その後の指示はフィジオセラピストが出す。救急車の必要がある場合は誰かしら帯同させる。
・ドーピングコントロールに関して言えば、選手は市販の風邪薬は使えない。コーヒーも1日6杯以上飲むと尿にカフェインが検出されるので控えるように選手には言ってある。あと前述の「薬学」に関わる話として、ある薬は、痛み止めの成分が日本では25mgのところブラジルやシンガポールでは4倍の100mg。だから外国人選手にはセーブして飲ませている。痛みを感じさせる事も必要なので。
・スポーツ医学のチームとは、医師・理学療法士・トレーナー・マッサー等いろいろな立場の人がいて成り立つもの。基本的に選手はその中でも一番話し易い人に相談しがちだが、ある程度ハナシを聞いたら専門の人に引き継ぐ。そして、例えばフィジオセラピストなら自分の専門だけ知っていればいいという訳ではなく、知識としていろいろな関連分野の事も知っておく必要が生じてくる。
○アルビのメディカルチーム
・チームドクターは1名(大学病院と兼任)。とは言え、いつでも対応できるように10名の医師が遠征地別にローテーションを組んで対応している。その他、フィジオセラピスト(亀尾さん)、マッサー(小林さんとカルトキング)がチーム専任。
・これがお金のあるチームだと、常時10人ぐらいのメディカルスタッフを抱えるところも。(この中には明日新潟に来る某チームも含まれます。「そんなにメディカルスタッフが居るなら何故ウチの元17番はいつまでも怪我が治らないのか」と疑問を抱いた事はヒミツ)
○ある理学療法士の一日
・例えば10時~12時の練習がある日
 9時にクラブハウス到着、練習前の処置(テーピング等)で約1時間
 練習中は怪我をしている選手のリハビリ、怪我人がいない場合はトレーニングの観察、それでも手が空く場合は球拾いとか
 12時の練習終了後は、トレーニングで負った怪我の治療、マッサージ等で大体15時位まで
 …以上が済んだらお昼食べて帰宅となり、普通のサラリーマンよりは余裕のある勤務時間だけど、これが2部練となると大変。昨日のようにナイター練があると帰宅は11時を過ぎることも。
○Jリーグのフィジオセラピスト
・調べた範囲では、J1・J2含めてトップチーム専任のフィジオセラピストは5名。外国人も含まれる。中には仕事がいまいちでクビになる人もいる。何度も同じ選手の同じ怪我を再発させたりしたらそれも勿論管理能力を問われる事に。単年契約だし意外と厳しい職種なのだね。
○スポーツ現場における理学療法
・痛みのコントロール、怪我をした部分以外のケア(怪我を治すのはドクター、修復過程の促進はフィジオセラピストの仕事)、障害を最小限にすることと安全迅速な機能回復、フィジカルコーチ(ウチで言えば鬼軍曹フラビオ様)のトレーニングに応える環境作り、厳しい競争に耐える選手たちの心理面のケア等。栄養士や臨床心理士の分野も含めた広いケアが必要。
○総括
・例えばある選手が体調・環境の変化(怪我とかね)を受けて行動や生理現象に変化が生じるとする。その改善努力を補助するのがフィジオセラピストの仕事。
・学問としての理学療法も勿論大切だけど、個々の選手の考え方に対する適切な助言ができること、「人と話ができること」がもっと重要。自分がいつでも正しいと考えない、いつも「選手はどう考え、受け止めたのか?」を考えること。
・"Champion teams" would always beat a "Team of Champions"という言葉がある。スターばかりを揃えたチームは「チームとしてのチャンピオン」には勝てないよ、という名言だけどこれはメディカルチームにもあてはまる。
○その他(主に練見よく行かれるスタッフマニアの人に捧ぐ。キミだよ鼻メガネ)
・亀尾さんのプレゼン資料には何故か監督以下スタッフ陣の面白写真満載
・渡辺さん(通訳)には近づかないほうがいい…と言ってましたよ(笑)いや、渡辺さんいい方よ。あともう一人の通訳・エデは敬語の使い方を知らない…らしいですよ(笑)
・マッサーのきんちゃん(萩本さん)は古のクイズ番組「カルトQ」のサッカー編で2度のキングに輝いた経歴の持ち主。一つネタを振ったら30分は語られるので気をつけたほうがいい。…らしいですよ(笑)
・とは言え亀尾さんは別にサッカー専門ではないので、タクティクストレーニングの様子は「ボールを蹴ったり…止めたり…」と見たまんまの感想を述べておられます
○最後に
・明日の自由席チケットをペアで5組の方にプレゼント(笑)「是非見に来てくださいね」とのこと。営業も忘れません。

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…以上、ノートとった範囲の話あまりはしょらないで書いたつもりですが、プレゼンの内容をこんな個人ぶろぐで公開していいのかちょっと心配。(御覧になってるか分かりませんが関係者の方、公開することが適切でなければエントリ消去しますのでご一報頂ければ幸いです) 感想としては、ありきたりだけどすげえイイ話を聞いたなあ…と。選手や監督・コーチだけでなくメディカルスタッフ、マネージャー含めた全員がアルビレックスというチームなんだなと。自分の職場での立場を省みれば、色々なタスクが出てきた時に「あ、それ管轄外ですのであっちの係にどうぞ」的なことをよくやりがちですが、そうじゃなくて有能なチームのスタッフってのは全てに目配せができて適切な判断ができて、なおかつ自分の本務にプロ意識を持って対応する必要があるんだな、と再認識もできました(個人的すぎるやね) スピーカーの亀尾さんも非常に話芸に優れた方で、なおかつ優しさとプロとしての厳しさを併せ持った方という印象を受けました。聞いた感じ、アルビのメディカルスタッフはまだ充実できる余地もあるようですが(お金があればね)これだけプロ意識高いスタッフさんがいらしてくれるならそれだけでかなり選手にとっても心強いだろうな…と思いました。個人的には船越のリハビリがどんな状況で進行しているか気になってたのでそのへんが聞けるかなーと思って行ったのですが、具体的な話はないにせよ「あ、この方なら安心して船越をお任せできる」とも思いました。充実した一日だったなあ。充実しすぎて明日のvsグラ8に何の不安もないね(笑)(しかも嘘)(でも勝つよ!)

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コメント

Phsioは優秀な人が割に少ないので、何気に激しい引き抜き合戦があるらしいです<プレミアリーグ。
そして、マネージャー、コーチ陣よりも選手に頼られてる人も多いようです。大事な相談相手らしいです。
そんなわけでネタの宝庫。番記者系はバックルームスタッフや選手よりもPhsio達にインタビュー(とうか「どう?どんな感じ?」と質問しまくってました。
すっごい重要なポジションですよね、実は。

投稿: d | 2005/07/18 01:15

耳寄り情報ありがとぉ。やっぱ向こう(イングランド)のプレスは見るとこ見てるね。
メディカルスタッフとかコーチ陣とかって、お金では買えないチームの重要な財産だなーと思います。今のところまだJでは、プレミアみたく引き抜きがあるような騒ぎにはなってませんが(注目されてないだけか?)将来的にはそのぐらい価値が認められて欲しい気もします。

投稿: ハルミル | 2005/07/20 01:53

Physioにはなんの関係もないが、電柱好きのお嬢様に。
http://
img248.imageshack.us/img248/1042/crouchrafa9jl.jpg

投稿: d | 2005/07/21 00:55

ちゃんと質問したことはないので推測だけど、「医療関係部門」には医者や弁護士みたいな守秘義務が生じているご様子。

市販薬などもいっさい飲めない彼等(選手)なので、「浮気相手の家で飯食ってたら食あたりを起こした」などというのも一番に連絡を受けるのはクラブの医療部門。てなわけで、体調、生活習慣、からタブロイドに知れるとヤバいネタまで、なにもかもをがっちり掴んでいるわけですね。

投稿: d | 2005/07/21 12:19

画像、いいなあ(笑)クラウチとジェラードに挟まれたら、ラファ・ベニテスなぞ捕われた宇宙人そのものだね。
フィジオ話は掘り返せば出てくる出てくる。読めば読むほど、フットボーラーは体が資本!ってのをヒシヒシ感じます。不健康が服着て歩いてるわたくしには向かない職業だ…。

投稿: ハルミル | 2005/07/23 01:28

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